世界的なパンデミックにより、大型ミュージックフェスやコンサートなど各種イベントの開催が一気にストップしてしまった2020年。
今年開催予定だった大型フェスは概ね来年に開催延期となっているものが多いですが、社会情勢次第で今後の動きは変わる可能性もあります。
来年に予定を立て直すべきかどうか?
チケットの払い戻し情報は各フェスどうなってる?
今後の動きはどこでチェックすればいい?
各国の渡航規制情報は?
などなど、海外フェスは公式情報も全て英語なだけに、今回のような珍しい事態の情報収集に戸惑っている方もいるかもしれませんね。
というわけで今回は20代の頃から海外フェスをウロウロしてきた私が、独断と偏見による各国のお気に入りフェスと2020年以降の中止・延期状況をまとめました。
※2020年10月2日時点での情報をまとめています。できる限り随時更新はしていきますが、各国の渡航規制やイベント開催状況は変更になっている可能性もあります。
ヨーロッパのフェス・2020年以降の開催情報

Boom Festival、OZORA、Fusionなどコアなコンセプトを持った大型フェスが多いヨーロッパ。
陸続きで国境を移動することができるので、夏の間にキャンピングカーで各フェスを廻るフェスフリーク達も珍しくありません。
ダンスミュージックはもちろんのこと環境意識やコミュニティとしての繋がりなど、メッセージ性の強いフェスカルチャーが発展しているのもの面白いところ。
ヨーロッパの有名どころのフェスは2020年以降、どのような予定になっているのか見てみましょう。
Boom Festival(2021に延期)
ヨーロッパのトランス系大型フェスでは知らない人のいないBoom Festival。
音楽はもちろんですが環境に対するコンシャスネスを強く訴えかけていて、フェスティバルカルチャーを通して新しい世界観を伝えているような、メッセージ性の高いフェスです。
既存の社会のあり方に対するカウンターカルチャー的なコンセプトも強く、巨大なフェスでありながら大企業や政府などのスポンサーに頼らず、「コマーシャライズされない」ということを意識的に掲げています。
そんなBoomは2年に1回、毎回偶数年に開催されてきたため、2年前から行くつもりで準備をしていた方も結構いるのでは?
実際2020年開催分のチケットは早期にソールドアウトしています。
さてすでに販売分のチケットに対する対応ですが、基本的にBoomのチケットは払い戻し不可となっています。
(これはパンデミック以前からの規定だったはず)
そのためコロナ禍においての延期であってもチケットの払い戻しはできないのですが、代わりの策が取られています。
すでにチケットを持っている人の選択肢は以下の2つ。
- 2021年に振替とする
- 公式プラットフォームにて第三者に売買する
まずBoom Festivalはすでに2021年7月に延期が決定しており、2020年のチケットをそのまま2021年に使用できます。
なので2021年にリスケして参加するという方は、そのままでOK。
ただどうしても2021年は参加できないという方のために、今後公式でチケット売買プラットフォームが設けられるとのことです。
正式な立ち上げ日程などは未定なのですが、そのプラットフォームを通して不要になったチケットを売買できるということ。
2021年分のチケットは現状ソールドアウトとなっており実質販売していないので、新しく参加を予定する人はまず売買プラットフォームから購入という流れになりそう。
ポルトガルは2020年現在日本からの入国を規制していませんが、渡航できるかは各航空会社の取り決めによります。
また入国規制に関してポルトガル政府は当面、2週間ごとの見直しを行うとのこと。
そのため状況は頻繁に変わる可能性もあります。
チケットに関するアップデートは公式サイト、渡航情報に関しては在ポルトガル大使館のサイトを参考にしてください。
OZORA Festival(2021に開催)
OZORA festivalもヨーロッパの夏(フェス界隈の)を語るには欠かせない存在。
ゲートのところにある”WELCOME TO PARADISE”のサインが物語るとおり、この中だけは一般社会の概念もジャッジメントも存在しない、理想郷のような世界観が広がっています。
OZORAもBoomと並んでコンセプトがとてもはっきりしていて、コマーシャライズされず独特の世界観を維持し続けています。
きちんと整備された7daysの大型フェスでありながら、いまだにチケット代は200€以下。
日本の商業フェスと比べると…全く別物なのがわかりますよね。
トランスパーティのイメージも強いですが、広大な敷地内にはアンビエントエリアやギャラリー、サーカステント、キッズエリア、様々なジャンルライブミュージックが楽しめるエリアなどもあり、エリアによって全然違った空気感。
小さな村が集まってできた、OZORAというひとつの自治区のようです。
さてそのOZORAですが、2020年は開催を見送り2021年に開催予定。
ただラインナップや詳しい日程などはまだはっきりアナウンスされていません。
各国の渡航状況などにもよるため、出演アーティストなどもまだ確定できないのだろうとは思われます。
肝心のチケットですが、2020年のチケットを買った人は、そのまま繰越が可能。
2021年に関しては現在プレ・レジストレーションを行っています。
プレ・レジストレーションのみで一定数に達した場合、通常のチケット販売はしない可能性もあるそう。
(ネット販売と別にゲートでの当日券5,000枚(220€)は用意される予定のようです。)
「2020年のチケットを買ってしまったけど2021年に行けない」という場合ですが、Boomのように公式プラットフォーム上での売買はできません。
ただ、友達に個人的に売るなどした場合にオーナー変更は可能。
というのも、OZORAのチケットは全て販売時に名前や顔写真など個人情報を登録しているため、本来購入者本人でないと使用できないのです。
でも現在公式サイトで用意されているトランスファーリクエストフォームから、オーナー情報の変更ができます。
ここで事前に登録しておけば、自分の買ったチケットを友達に使ってもらう、ということも可能になりますよ。
Fusion Festival(縮小して2021年に開催)
Fusion Festivalはドイツのマルチジャンルな大型フェスティバル。
7万人規模と大きなフェスですが、Boomなどに比べると若干ローカル色が強いイメージ?
ドイツ国外ではなかなか見られないようなアーティストも多くて、ジャンルもサイケデリック・ミュージックだけでなくアコースティックやエレクトロなど様々。
アートインスタレーションやパフォーマンスなども多く、音楽以外にも楽しみ方が豊富なフェスです。
そんなFusionですが毎年開催しているフェスなので、2020年の開催は実質的には中止。
チケットは全て2021年にそのまま持ち越しとなります。
(特に手続きは必要なし)
現在発表されている情報だと、2021年は6/30〜7/4に開催予定。
ただその後の更新で「2021年は規模を半分に縮小し、2週に分けて行う」とのこと。
なので日程も少し変更がありそうですね。
Fusionはなんと、希望者には2020年分チケットの払い戻しを行うとのこと。
本来かかる10€のキャンセル料も今回は課金されないそうです。
ただ開催中止を余儀なくされ当然オーガナイズ側は厳しい状況なので、キャンセル時に10€をドネーションすることもできます。
オーストラリアのフェス・2020年以降の開催状況

オーストラリアもヨーロッパに負けじとフェスカルチャーが盛ん。
国自体が広大なのもあり、大きなものから小さなものまでハイシーズンには各地でオープンエアーフェスが開かれています。
オーストラリアの壮大な自然って日本からするとちょっとあり得ないレベルだったりするので、とんでもない田舎をカンガルー轢きそうになりながらドライブしていく道中もまた楽しかったりしますね。
ドメスティックなアーティストもかっこいい人が沢山いるので、フリークスにはたまらない土地です。
そんなオーストラリアのフェスもいくつか紹介しましょう。
Rainbow Serpent(2021年の開催未定)
オーストラリアで22年続いているRainbow Serpent。
音楽・アートインスタレーション・コミュニティといった要素のほか、アボリジニの伝統文化も大切にしていてフェスの中で儀式なども行われます。
最近では土着ヒッピーみたいなノリより、ちょっとオラオラ系の人が増えてきた…とオージーの友人がボヤいてましたがどうなのでしょうか。笑
さてそんなRainbow Serpentですが、日本とは季節が逆のため毎年1月に開催されています。
今年の1月はまだパンデミックが深刻化する前だったのですが、なんの因果か、なんとオーストラリアで発生していた大規模山林火災により中止に。
代わりに別のロケーションで2回のパーティを行うことになったのですが、そのうち1回は3月だったためCovidの影響で中止になりました。
なんという試練…。
本来なら2021年も恒例の1月に開催されるわけですが、2020年10月現在まだ開催情報はアナウンスされていません。
オーストラリアへ海外からの渡航規制もまだかなり厳しい状況なので、数ヶ月後の開催は難しいかもしれませんね…。
今後のアップデートを見守りましょう。
Woodford Folk Festival(2021年末に開催予定)
Woodford Folk Festivalは”Woodfordia”と呼ばれる広大な敷地内で行われるフェス。
名前の通りFolk musicがメインではあるのですが、実際は巨大なフェスなのでエリア・時間帯によってなんでもアリ。
深夜帯はダンスミュージックかかってるところもあるし、映画上映やトークショーが行われてたり、ヨガやボディワークのWSが行われてたり、サーカスパフォーマンスもあれば「見世物小屋」みたいなディープなエンターテイメントも入ってたり、いやホント何でもアリなんですよ。
毎年年末のカウントダウンに合わせて行われるので、年が変わる瞬間のセレモニーも名物。
10万人以上の人が集い、キャンドルライトで辺りを照らす風景は圧巻です。
個人的にも今まで行った中でベスト1と言ってもいいくらい、音もロケーションも雰囲気も人も最高なフェスでした。
そんなWoodfordですが、2020〜2021の年越しに関してはすでに中止が決定。
払い戻しに関しては情報なしでしたが、公式サイトで問い合わせできるようです。
(というか時期的に、多分2020年分に関してはまだ未発売だったんじゃないでしょうか?)
次回は2021〜2022年の年越しで開催予定。
詳しい日程やチケット情報はこれからのようです。
Earth Frequency(2021年開催予定)
Earth Frequencyもオーストラリアの、サイケデリック・ミュージックを中心にクロスオーバーしたジャンルが楽しめるフェスティバル。
Rainbowとかに比べるとやや小規模ですが、そのドメスティック感が楽しかったりもします。
オーストラリア国内でしかあまり見られないような、ちょっとアンダーグラウンドなDJやアーティストが知れるのも面白い。
このカラフルな集団、私行った時もいたし何故か混じって一緒に遊んだな。笑
Earth Frequencyは毎年2月開催のため、2020年はパンデミック前に通常開催していたようです。
で、2021年の2月にも通常通り開催予定。
基本的にドメスティックなアーティストが多いこと、そこまでの超大規模でないことから国境が開かなくても開催する方針のようですね。
ただ今後もし再度ロックダウンなどがありクイーンズランド・ヴィクトリア・ニューサウスウェールズといった州間での移動が規制された場合には、イベントを延期するとのこと。
またチケット購入はすでにできますが、日本からの渡航は2020年10月現在まだ規制中。
イベント開催となっても渡航が保証されるわけではないので、こちらも注意が必要です。
アメリカ・カナダのフェス 2020年以降の開催状況

フェスティバルカルチャーを語る上で外すわけにはいかないのが、アメリカやカナダのシーン。
個人的にけっこう未開なゾーンなのですが、国境開いたらここは行ってみたい…と思っている有名どこをピックアップしてみました。
Shambala Festival(2021年に開催予定)
Shambala Fesはカナダ・BCで毎夏に開催されている大型フェス。
次の開催で20周年となります。
めちゃくちゃ幅広いラインナップが魅力的で、アコースティックからロック、レゲエ、ダンスミュージックまでエリアによって全然違う顔があるのも巨大フェスならでは。
なんと37ものエリアが点在していて、その内容もライブステージに限らずWSエリアだったりパーマカルチャーのレクチャーをするエリア、トークセッション、キッズエリアなどこれまた何でもアリ。
カナダの友人からも毎度評判が高いので、一度は行ってみたいShambala。
2020年は中止になり希望者にはチケットも払い戻しされましたが、2021年は開催予定。
2020年のチケットを2021年に繰越も可能です。
2020年10月現在カナダへの渡航規制はまだ厳しい状況ですが、開催予定は2021年8月なのでその頃には変化があるかも?
今後のアップデートに期待しましょう。
Lightning in a Bottle(2021年に開催予定)
カリフォルニアのBuena Vista Lakeという湖畔で行われているLightning in a Bottle。
湖の前というロケーションがBoomの開催地にも似ていて、開放感がたまらなく気持ちよさそうなフェス。
まあまあコマーシャライズされた大型フェスなので、KAYTRANADAやJames Blakeのようなメジャーなアーティストもガッツリラインナップされています。
そんなミーハー感もありつつ、ヒーリングエリアがあったりトーク&ディスカッションエリアがあったりとアクティヴィティも豊富なよう。
毎年5月に開催なので、2020年はまさにパンデミックの最中で中止となったLIB。
しかしなんと、デジタル開催という代替法に至りました。
今年はバーニングマンとかもデジタル開催してたよね。
まあこれはこれで、コロナなかったらあり得なかった体験なので面白い。
チケットに関しては購入金額の50%のみが払い戻しされたようです。
が、まあどこもそうですがオーガナイズチームが結構ピンチなようで、大々的にドネーションを集っています。
来年以降の開催情報についてはまだ詳しくアナウンスなし。
無事開催できるといいのですが…。
Electric Forest(2021年に開催予定)
Electric Forestはシカゴ中心地から車で3時間ほどの、深い森の中で行われるフェスティバル。
なんかロケーションがさあ、フジロックっぽいんだよね…。笑
その名のとおり森の中に現れるエレクトリカルなデコが特徴的。
THE STRING CHEESE INCIDENTのようなジャムロックの大御所から、rock,tech,house.glitchなどのメジャーどころが揃います。
わりとGlitch色も強いようなイメージですね。
Eletric Forestは2020年は中止、すでに払い戻し対応が行われています。
2021年は開催予定なので、そのままチケット繰越もOKとのこと。
確かEletric Forestは毎年オフィシャルのパフォーマンスtropeを募っていて、フーパーも多く参加してたので知ったんですよね。
来年はまたあの森に、フラフーパー含むフェスフリークスたちが集まれるのでしょうか。
番外編:バリのインターナショナルフェス
Bali Spirit Festival
がっつりミュージックフェスというわけではないのですが、私が何度も長期滞在しているバリ島・ウブドにもインターナショナルなフェスがあります。
Bali Spirit Festivalはヨガや様々なボディワークのWSがぎっしり詰まった一週間のフェスティバル。
キャンプインではないので、お客さんはウブドのホテルなどに泊まって自由に会場を訪れるスタイルです。
日中は色々なWSやトークショーなどに参加したり、プールで泳いだり、思い思いに過ごす感じ。
マーケットエリアには超ヘルシーなヴィーガンフードやヨガグッズが揃います。
夜はライブステージで様々なパフォーマンスも。
有名どころだとMedicine for the peopleとか、日本からはMatsumotozoku とかが過去に出演してました。
2020年は渡航規制が発令された直後で中止になりましたが、2021、2022にチケットは繰越可能。
私も規制が解かれたら参加しようと思っています。
1人で行ってもたくさん友達ができちゃうような、オープンでヘルスコンシャスな人たちの集まるBali Spirit Fes。
バリを訪れるチャンスがあったら、ぜひ体験してみてください。
2021年以降の海外フェスに備えよ!

Covid-19の影響で2020年の海外フェス事情はどこも壊滅状態ですが、概ねどのオーガナイザーも2021年以降の開催を予定しているようです。
今後のアップデートも見守りつつ、来年の来たるべき時に備えましょう!
またほとんどのオーガナイズ団体が、各公式サイトからドネーションを集っています。
これまでフェスカルチャーに楽しませてもらった&今後も楽しませてもらう身としては、できるだけサポートしたいもの。
来年は行きたいな…と思えるフェスがある人は、ドネーションなどで今後の開催をサポートしていけるといいですね。